アダプター紹介

2.アダプターの設計・製作

ズーム接眼用アダプターを設計するに当たって、実際に自分が使う場面を想像すると、捉えやすいワイド側で被写体を入れて、撮影しながら徐々にズームしてゆくという使い方になりそうです。そこでいくつか条件を挙げてみました。

  1. セッティングしたままでズーム操作が出来ること
  2. カメラの着脱か簡単に出来ること
  3. カメラをはずしたままで観察が出来ること
  4. 接眼自体には加工をしないこと

条件の中で1がもっとも重要です。2と3の条件は撮影と観察を両立させようというものです。最後の4は高いレンズなので言わずもがなです。
設計するにあたり、ズーム接眼の各部分と何種類かの塩ビ管パーツを測っておき、計測を元に縦断面図を書きました。あとは暇な行き帰りの電車の中で、あーでもない、こーでもないとデザインを考えました。
ポイントは、目当てのゴムを外した部分の外径がVU40継ぎ手の内径とぴったり一致することと、ズーム駆動部とスコープ本体の間に平らな部分があることです。この2つの部分にスペーサーを入れてアダプターを固定し、ズーム部を両側から支えるデザインを考えました。問題は、いかにズーム駆動部を、着脱が簡単で、かつ、しっかり固定するかでした。ゴムシートや金属バンドなどいろいろと考えましたが、ふと、別なアダプターの固定に使っていたニチアス株式会社のカグスベールを思い出し、内側に貼ってみました。これが思った以上に具合がよく、ズーム部をしっかり固定してスムーズに回すことができました。

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アダプター図面 アダプターの図面
各部品は実寸よりも大きめに切り出して、長さや厚さを見ながら少しずつ加工。一度仮組み立てをして微調整をした後、エポキシ接着剤で接着。
使った材料は、VU40継手、LP50継手、VU50継手、VU50菅、28-38ステップアップリング、PVC板(0.5mm,3.0mm)、カグスベール、2.5mmx5.00mm止めネジ。

アダプターAD-P1 アダプターAD-P1
内側にLP50継手、外側にVU50継手を組む。VU50継手の方がわずかに大きいので、隙間を0.5mmPVC板で調整。スコープ側の面を3.0mmPVC板で目隠し。スペーサーはVU40継手を輪切りにし、さらに縦に2つに切ったものを使う。そのままでは厚いので本体が力を入れないと着脱できないくらいに調節する。

アダプターAD-P2 アダプターAD-P2
VU50継手の内側には出っ張りがあるので、これがズーム滑り止め部の真ん中に来るように幅を調節し、VU50菅を輪切りにしたものを出っ張りの両側にはめ込む。出っ張りがわずかに低いので、接着の際にはみ出したエポキシ接着剤をならして平らにする。内側にカグスベールを貼り付けるのがポイント。

アダプターAD-P3 アダプターAD-P3
本体はAD-P1とほぼ同じ構造。28-38ステップアップリングの38mm側を平らに削ったものを3.0mmPVC板に貼り、それをカメラ側の面に光軸をあわせて貼り付ける。この部分をカメラに合わせて作れば、どのカメラにも対応が可能になる。
スペーサーは、VU40継手を目当ての幅に合わせて切り、しっかりはまる様に外径と内径を調整する。

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